自然を満喫できると人気の登山や新しい発見・散策が人気の街歩き・ウォーキングですが、いざ始めようと思っても、どこを歩いたら良いのか迷うことはないでしょうか。
この記事では、初めて山歩き・山登りをされる初心者(〜中級者)から幅広い世代におすすめの、日帰りできる気持ちの良い静岡県(伊豆)の低山登山・トレッキング・ハイキングコースを紹介します。
静岡県伊豆地区でおすすめするトレッキングコースは、「高通山・烏帽子山」登山コースです。海の景色を楽しめる低山として伊豆半島の山々が人気ですが、松崎町の雲見にある「高通山(たかとおりやま)」・「烏帽子山(えぼしやま)」はその伊豆半島の山岳で、山頂からは伊豆西海岸の駿河湾のすばらしい景観とジオパークを満喫できます。
天気に恵まれれば、西伊豆海岸と浮かびたる富士山も望めます。
- 駿河湾の絶景が楽しめる、静岡・伊豆・富士山周辺でおすすめの登山・トレッキング・ハイキングコース「高通山・烏帽子山」がわかる
- 「高通山・烏帽子山」登山コースの特徴、見どころ、グルメ(観光・立ち寄り)スポットがわかる
- 体力や目的に応じて、おすすめアレンジコースも紹介
それではいってみます。
「高通山・烏帽子山」トレッキングコースの概要
まずは、「高通山・烏帽子山」登山コース(ハイキングコース)に関する基本情報はこちらになります。
- 山(標高):
「高通山」(たかとおりやま;標高516m)
「烏帽子山」(えぼしやま;標高162m) - エリア:静岡県松崎町・雲見(伊豆・西伊豆)
- コース概要:烏帽子山のスリルを堪能したのち高通山を登頂して下る周遊コース
1)雲見港(Start)→(約30分)→2)烏帽子山→(約75分)→3)高通山登山口→(約70分)→4)高通山→(約30分)→5)高通公園→(約55分)→6)千貫門→(約30分)7)雲見港(Goal) - 難易度:体力 ★★★☆☆ 、技術 ★☆☆☆☆ 、危険 ★☆☆☆☆
- 歩行時間:約4時間50分
- 距離:10km
- 最低高度:4m
- 最高高度:519m
- 累積高度(+)776m
- 累積高度(-)773m
- 消費カロリー:1451kcal
- 路面:よく整備されたハイキングコース(高通山遊歩道)
- おすすめの季節:四季を通じて楽しめます。
- 交通機関(アクセス):
【電車・バス】JR熱海駅から伊豆急下田駅まで約90分、伊豆急下田駅から南伊豆東海バスで松崎まで約50分、松崎から雲見浜までバスで約18分。
【車】雲見港(雲見浜・雲見海岸)へは新東名長泉沼津ICから伊豆縦貫道、国道136号で約1時間45分。無料駐車場 約50台(夏季有料)、トイレも完備。
■地図情報
地図上での位置や標高は次のとおりです(青線がルートです。拡大もできます)。
特に危険を感じる箇所はありません(烏帽子山頂は少しスリリングですが)。グーグルマップでも表示しておきます。各ポイント地点の情報も参照できます(右上□で拡大地図表示もできます)。
「高通山・烏帽子山」トレッキングコースの特徴・見どころ・立ち寄りスポット
「高通山・烏帽子山」トレッキングコースの特徴・見どころを見てみます。
■駿河湾の絶景と世界ジオパークを楽しむ
1)雲見港(Start)-烏帽子山(約30分)
海の景観が楽しめる伊豆半島の「高通山」「烏帽子山」、いずれも低山で、各標高はわずか516mと162mですが、なかなかどうして、各山頂からの眺望はすばらしいものがあります。
出発は、雲見港です。国道136号線から港方面に少し下ると漁港です。雲見海岸もほぼ同じ場所にあります。港には駐車場があり(夏季シーズン中は有料)、清潔なトイレも完備されています。無料の足湯もあります。
まずは、海に突き出した「烏帽子(えぼし)」の形をした「烏帽子山」に向かいます。海岸からも一目でそれと分かる形で、先端が鋭利に尖っています。山頂には、磐長姫命「イワナガヒメノミコト」をご祭神とする「雲見浅間神社」が祀られています。ここの浅間神社は妹の木花咲耶姫命「コノハナサクヤノヒメノミコト」(富士山)より容姿の劣る姉の「イワナガヒメ」を祀っているため、烏帽子山で富士山をほめると、嫉妬して怪我をするなどの言い伝えが残ります。
鳥居をくぐって、階段を上ると拝殿に着きます。さらにその裏手から中之宮まで実に320段ほどの、まっすぐにきりたった急階段があり、まさに圧倒されるばかりです。階段の幅も狭く傾いているところもあるため注意深く登ります。ようやく登り切って中之宮から10分ほど山道を登ると本殿のある山頂に着きます。
2)烏帽子山-高通山登山口(約75分)
「烏帽子山」の山頂にある展望台からは、北西方面に堂ヶ島、さらに駿河湾越しの「富士山」が見わたせます。南側には「千貫門」と雲見の集落が見下ろせます。エメラルドグリーン(ヒスイ色)の海と海岸線がとても美しい。展望台はまさに360度雄大な景色が見渡せますが、足がすくむほどの立地で、風が強い日には簡単に吹き飛ばされそうです。絶景ですが少しスリリングです(当日は無風快晴でした)。
登山の安全を祈願して「烏帽子山」を下ったら、雲見オートキャンプ場を目指します。しばらく国道136号線沿いを歩いて、途中の雲見入谷バス停付近から一般道路に入ります。このコースは南伊豆歩道(波勝崎歩道)とよばれ、高通山の山頂を経て野猿で有名な波勝崎へ通じる遊歩道のようです。田畑風景を楽しみながらのんびりと緩やかに登っていきます。
途中に、「雲見夕日と潮騒の岬オートキャンプ場」があり、その立地から夕日と烏帽子山の景観は素晴らしいことが想像できます。もうしばらく進むと、「雲見キャンプ場(高通山)登山口」に着きます。
3)高通山登山口-高通山(約70分)
「高通山登山口」から照葉樹林のよく整備された登山道(高通山遊歩道)になります。30分ほどで巨岩の多い猿岩に着きます。低山ですが斜面はそこそこ急です。岩場で少し休憩して、さらに登ると頂上手前の「北側展望台」に到着します。
4)高通山-高通公園(約30分)
「北側展望台」からは、駿河湾の全景が広く見渡せます。長九郎山、西天城高原、達磨山といった西伊豆の山々だけでなく、天気が良ければ富士山や南アルプスもはるかに見わたせます。先ほど登ったばかりの烏帽子山も下方にみえます。
見晴らしの良い場所にベンチがあり、山と海の壮大な眺めとともに昼食とします。絶景とともにいただく食事はひときわ美味しく感じます。
高通山の頂上はここから100mほど先で、そこからは南側の海岸線が広く見渡せます。
下りは、高通公園方面(グランド・富士見農園バス停)に下ります。階段がよく整備されて、高通公園(雲見地区ふれあいパーク駐車場;トイレあり)まですぐに下山できます。
5)高通公園-千貫門・雲見港(約1時間25分)
高通公園までが登山道で、ここから先は国道136号線の旧道を川沿いに、川の流れと鳥のさえずりを聞きながら緩やかに下ります。
千貫門の入り口まで来たところ、入口が工事中のため立入禁止になっていました。台風等の影響で遊歩道が土砂で閉鎖されているとのことでした(2022年4月現在)。今回は残念ですが、千貫門は烏帽子山から眺めるだけでにしておきます(「見る価値が千貫に値する」という意味から「千貫門」と呼ばれるようです)。代わりではないですが烏帽子山が美しく見上げることができる眺望スポットがあったので、立ち寄ってみます。
また、せっかくなので、雲見港から見える「雲見想い出岬」にも寄り道してみます。岬からの伊豆のジオと雲見港から出発する漁船が美しく映えます。軍艦岩(ダイビングスポット)や牛着岩(大牛)の形状もまた絵になります。雲見港は、ダイビングから戻ってきた人々で賑わっています。
世界ジオパークに認定された伊豆の地質のおもしろさ、自然の豊かさを感じられる低山ルートでとてもオススメです。
お疲れさまでした。
『伊豆ジオ100 (伊豆半島ジオパーク公式ガイドブック)』は、こちらをチェック👇
同じ松崎町の那賀川ウォーキングコースはこちら
「高通山・烏帽子山」トレッキングおすすめアレンジコース
「高通山・烏帽子山トレッキングコース」は、時間や体力と相談しながら自分に合ったコースアレンジが可能です。
「ココミル 伊豆」は、こちらをチェック👇
『【厳選11】静岡県(伊豆)でおすすめのトレッキングコース〜高通山・烏帽子山〜』まとめ
静岡県在住30年以上の筆者が実際に歩いて厳選した、静岡県伊豆地区でおすすめトレッキングコース”第11弾”は、『〜駿河湾の絶景とジオパークを楽しむ〜高通山・烏帽子山〜コース』としました。
静岡県やその周辺の地域、伊豆や箱根、富士山周辺は、東京近郊からも近く、比較的訪れやすい地域でしょう。マイカーやレンタカーであれば東京周辺からの日帰りも可能です。
紙の地図(山と高原地図 伊豆 天城山 2024 (山と高原地図 33) )は、こちらをチェック👇
今後もおすすめのトレッキング・山歩きコースやウォーキングコースを順次ご紹介していきたいと思います。
トレッキングや登山、山登り、山歩きの服装やグッズ選びで悩んでいる方は、是非以下の記事を参考にしてみてください。こちらをチェック👇
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
コメント
以下コメントいただきました。情報どうもありがとうございます。
最新の登山道情報はわかりませんでしたので、皆さんのご参考になればと思います。
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2022/12/11に記載のコースに行ってきましたが、[雲見キャンプ場~高通山]及[波勝崎~高通山]のルートは崩落の為、通行禁止になっていました。高通公園からは登れます。
車で3時間、雲見港駐車場から徒歩2時間かけて高通山登山口に着いた時、目にした、『通行禁止』のバリケードにはガッカリしました。
遠方よりせっかく来たので引き返す訳に行かず、通行禁止登山道を登りましたが、所々大きな陥没や崩落箇所があり、全体的に荒れ、倒木や枯葉等でとても通行できる状態ではありませんでした。