自然を満喫できると人気の登山ですが、登山中の道迷い、地図・コンパス(磁石)だけでは不安な時はないでしょうか?
この記事では、山歩きでスマホの登山用GPSアプリ『ジオグラフィカ;geographica』を試した結果をレビューします。
山歩きだけでなく、街中のウォーキングやキャンプ等で、携帯電波圏外でも現在位置と方角が手軽に確認でき、かつ地図として使える大変便利なアプリ『ジオグラフィカ』。歩いた距離や時間だけでなく消費カロリーや実際に歩いたルートも記録できる優れもので、無料でほとんどの機能が使えます。
初心者には、地図ならGoogle Mapsがあるから大丈夫と思うかもしれませんが、グーグルマップは山奥では電波が繋がらない以外にもいくつか厳しい点があります。これは記事の中で説明していきます。
スマートフォン(iPhone(iOS)、Android)の登山用GPSアプリはいくつかありますが、どのアプリを選んだら良いか迷う方も多いと思います。今回『ジオグラフィカ』 を選んだ理由と気づいた点についてレビューします。
- 山歩きやウォーキングでGPSアプリを使う理由
- 登山用GPSアプリを選ぶポイント
- 登山用GPSアプリ 『ジオグラフィカ』がおすすめな人、おすすめでない人
それではいってみます。
山歩きやウォーキングでGPSアプリを使う理由
山歩きやウォーキングでスマホのGPSアプリを使う理由は、以下2点あります。
1)アウトドアを安全に楽しむためのスマホ地図
山歩きにおける道迷いによる遭難防止や、登山ルートの確認において、紙の地図とコンパスを持参するのは常識の範囲ですが、一方、初心者では紙の地図では現在位置が特定できないため道迷いが発生しやすいことも確かです。
実際、筆者も登山道で道に迷いそうになった時に、このスマホのGPSアプリに何度も助けられました。特にアルプスなどの人気の山などと比べると、マイナーな低山(里山)は登山道が不明瞭な場合も多く(人が不在で足跡が少ない、または人が歩いていないから道が分かりにくい)、その結果、道に迷いやすいという事もあります。
また台風等の悪天候の影響で山道が崩れたりした後、田舎の山道では整備が追い付いていない場合もままあります。
昨今では、登山靴、レインウエア、リュック(ザック)だけでなく、スマホのGPSアプリを持参することは安全確保のため必須ではないでしょうか。
2)歩いたルート、距離、時間、高度差、消費カロリー等を記録できる
実際に歩いたルート(トラック;GPSログ)や距離、時間、高度差、消費カロリー等が自動で記録できることは、山歩きやウォーキングを楽しむためにとても重要で、記録が一覧できると自身の成果として楽しいものです。
健康維持・向上、美容・ダイエットを目的に山歩きやウォーキングをする場合にも実施記録は必須といえます。
以下、『ジオグラフィカ』で記録した静岡県 田貫湖付近にある天子ヶ岳-長者ヶ岳の登山記録(ログ)です。ご参考までに。
スマホの登山用GPSアプリを選ぶポイント
登山用GPSとして代表的な4アプリを以下に示します。選定では以下のPEAKSの書籍『PEAKSアーカイブ ソロトレッキング 2nd』を参考にしました。
各アプリいずれも基本ダウンロードと一部機能使用は無料ですが、有料版は機能制限解除されます。
アプリ名 | 概要 | 有料版 |
1.山と高原地図ホーダイ | 1)登山地図の定番である「山と高原地図」のスマホアプリ版。 2)書籍地図の「山と高原地図」全59エリア、約1500の名山の地図にアクセスできる。 3)最適ルートを自動選出、工程表の作成が可能 | 月額¥400円で59エリアの地図が使い放題(初回ダウンロードから7日間は無料) |
2.YAMAP | 1)YAMAPは地図機能だけでなく、登山日記としても人気のあるアプリ。 2)写真付きの登山記録を210万人の利用者と共有できる。 3)無料版の地図ダウンロードは2枚まで | 月額¥480,または年額¥3,480 (各種機能制限解除) |
3.ヤマレコ | 1)ヤマレコは利用者同士の交流が盛んな登山地図アプリ。 2)アプリ上で登山届の作成が可能で、そのまま各都道府県に提出可能。 3)地図は2件まで無料で保存でき、地図を削除すれば新しい地図を保存できる。 | 月額¥780,または年額¥4,900 (地図のダウンロード無制限) |
4.ジオグラフィカ | 1)ジオグラフィカは国内外での9年以上の検証の末に開発された実績あり。 2)ほとんどの機能を無料で使える。 3)コミュニティ機能などが少ない分、地図としての機能に特化したアプリ。 | 一度¥1,500程度買いきりで、それ以上の毎月課金がない。 (トラックの記録回数無制限。無料版は20回まで) |
上記の中から、『ジオグラフィカ』を選んだ理由は、以下の4点です。
- 無料で回数多く使えて、かつ機能制限解除の有料版も格安
- 国土地理院の地形図を使用
- 地図の自動保存が容易
- ウォーキングの記録用に山以外の街中でも使える
1)トラックログの記録は20回まで無課金状態で使えます。以降は、動画広告を見るか、1500円前後の課金を1回だけ行えば無制限に記録できる。(他のアプリは毎月課金が主流になっています。)
2)、3) 『ジオグラフィカ』 ではネットに接続した状態で地図を表示すると、自動的にスマホに保存されます。国土地理院の1/25,000地形図がデータとして保存され、田舎のマイナーな登山道等も詳細に表示されます。地図自体も美しいです。
4)山以外の街中でのウォーキング、サイクリングや海上での釣りの移動記録アプリとしても使えます。目的地を事前に決めておかなくても、自由に散策してその記録が残せます(後述する地図の事前キャッシュは必要ですが)。
登山用GPSアプリ『ジオグラフィカ』はこんなアプリ
詳細は『geographica.biz』を参照いただければと思います。
筆者が山歩きやウォーキングで最低限使用している操作・機能は、現在位置と方位の把握と歩行記録の2点のみです。事前に書籍やネットで登山ルートやウォーキングルートはおおよそ調査しておき、アプリには地図の詳細と現在位置・方位、トラックログ記録の各機能があれば、必要十分です。
当日の体調や、登山道や歩行道、地形の状態(災害等で変化している場合も多々あります。)によって臨機応変に対応できるのもGPSアプリのメリットです。
『分県登山ガイド 21 静岡県の山』は、こちらでチェック👇
1)山行前に地図をスマホに読み込む(事前キャッシュする)
歩く予定のエリアを中心に、地図を見ながら行程を確認すれば地図が自動保存されます。保存された地図は電波圏外でも機内モードで見られます。表示キャッシュの注意点として、地図を拡大したり縮小したりして一度詳細地図と広域地図を両方スマホ上で表示しておくことが必要ですが、特に大きな手間ではありません。
2)トラックログ(歩いた軌跡、GPSログ)を記録・閲覧する。
自分が歩いた軌跡を記録したり、記録したログを地図に表示したり、誰かが記録したトラックをジオグラフィカに取り込んで表示したりもできます。
地図アプリならグーグルマップで十分では?
私も初めのころは、登山でもグーグルマップ(Google Maps)があればなんとかなると思っていました。ただ実際に山奥に行ってみるとわかりますが、以下2点の点からグーグルマップは使えないことが理解できました。
1)グーグルマップには詳細な登山道等は記載されていない
街中ではあれほど詳細なグーグルマップも登山道や歩行者道などの詳細図は記載されておらず、登山には使えません。以下前述の天子ヶ岳周辺の『グーグルマップ(左)』と『ジオグラフィカ(右)』を比較参考として記載しました。以下グーグルマップは拡大もできますが、拡大しても登山道は表示されません。
アプリ上での拡大縮小も簡単で(指で画面を広げるだけ)、拡大画面を見ても、詳細に山道まで記載されており、実際に歩行したルート(赤線)確認とGPSとの追随性も良好です(表示 S:スタート、G:ゴール)。
2)山奥では携帯圏外になることも多く使えない。
日本ではかなり携帯電波の範囲は広がりましたが、それでも田舎の山奥等では、まだ電波の届かない場所は多くあり、その場合は当然ですが、グーグルマップは使えません。
GPSアプリは携帯電波圏外でも機内モードでもSIMが入っていないスマホでも使用できます。電波範囲とGPSは全く別物です。
先日、機内モードで本アプリを使用しましたが、全く問題なく使用できました。また電池消費が格段に少なく(一日で半分程度消費するスマホが10%程度の消費で済みました)、山歩き中は機内モードを積極的に活用することをおすすめします。
ただ山歩きの際は、万が一の場合に備えてスマホの予備バッテリー持参は必須です。
【山歩きで登山用GPSアプリ「ジオグラフィカ」利用】まとめ
山歩きでスマホの登山用GPSアプリ『ジオグラフィカ』を試した結果をまとめてみました。
登山用GPSアプリ『ジオグラフィカ』ですが、 2018年くらいから継続して愛用しています。 筆者が山歩きを始めるきっかけともなった貴重なアプリです。とても使いこなしていると言える状況ではありませんが、最低限の機能だけでも大変重宝しています。
日本全国を網羅する国土地理院の詳細地図をスマホでいつでも持ち歩けるという安心感は非常に大きいです。
また気づいたことがあれば追記していきます。
山歩きやウォーキング、散策、街歩きにはスマホの登山用GPSアプリ『 ジオグラフィカ;geographica 』 は間違いなくおすすめできるアイテムです。
山歩きの服装やグッズ選びで悩んでいる方は、是非以下の記事も参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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