自然を満喫できると人気の登山や新しい発見・散策が人気の街歩き・ウォーキングですが、いざ始めようと思っても、どこを歩いたら良いのか迷うことはないでしょうか。
静岡県でおすすめのウォーキングコース第8弾は、静岡市の「静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク」としました。JR草薙駅から静岡市内の神社仏閣(寺院と神社)をめぐりながら、谷津山のハイキングコースも満喫する欲張りなコースになります。
広大な敷地と豪壮な拝殿で驚く「静岡懸護國神社」、静岡市民でも歩けることを意外と知らない街中の超低山(丘陵)「谷津山縦走」、徳川家ゆかりの「臨済寺」。市民(県民)に親しまれている駿河国総社「静岡浅間神社」と徳川家康ゆかりの「駿府城公園」を巡ります。
「浅間神社」は、二十年かけての化粧直し(平成の大改修)中ですが、いくつか改修済みの社殿も公開されてきたので、その最新状況と、「駿府城公園」は、「駿府城跡天守台発掘調査」を実施中で調査現場が見学できたのでその様子もお届けします。
- 静岡県(静岡市)でおすすめのウォーキングコース「静岡寺社めぐりと谷津山」がわかる
- 「静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク」ルートの特徴、見どころ、グルメスポット(観光・立ち寄り)がわかる
- 体力や目的に応じて、おすすめアレンジコースも紹介
それではいってみます。
「静岡寺社めぐりと谷津山」 ウォーキングコースの概要
まずは、「静岡社寺めぐりと谷津山」 ウォーキングルートに関する基本情報は以下になります。
- エリア:静岡県静岡市
- コース概要:
1)JR草薙駅(Start)→(約20分)→2)谷田宮の後公園→(約1時間)→3)静岡懸護國神社→(約45分)→4)谷津山→(約20分)→5)清水山公園→(約40分)→6)臨済寺→(約20分)→7)静岡浅間神社→(約20分)→8)駿府城公園→(約15分)→9)JR静岡駅(Goal) - 難易度:体力 ★★☆☆☆ 、技術 ★☆☆☆☆ 、危険 ★☆☆☆☆
- 歩行時間:4時間
- 距離:15km、標高差103m
- 歩数*):21,127歩
- 消費カロリー:1,212kcal
- 交通機関(アクセス):
【電車・バス】JR東海道線草薙駅、静岡駅
【車】静岡市内の各種駐車場
*)歩数は、1歩71cmで歩数を算出しています。
(日本人女性の平均身長は158cm、歩数の計算方法は身長×0.45なので、158cm×0.45=71.1cm)
■地図情報
地図上での位置や標高は次のとおりです(青線がルートです。拡大もできます)。
周辺情報がわかるグーグルマップはこちら。右上の□クリックで拡大もできます。
「静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク」特徴・見どころ・グルメスポット
■古墳跡公園と鎮守の杜・護国神社をめぐる
1)JR草薙駅(Start)-静岡懸護國神社(約1時間20分)
JR草薙駅の南口をスタートとして、静岡懸護國神社(静岡県護国神社)を目指します。駅前ロータリーを西(静岡駅)方向に県立美術館前駅(静岡鉄道静岡清水線)まで歩きます。そこからなだらかな坂道を静岡県立美術館(静岡県立大学)方面に登ると右手に「谷田宮の後公園」があるので立ち寄ります。
「谷田宮の後公園」は、古墳が残る公園で、発掘調査により6世紀後半の横穴式石室の円墳3基が見つかり、須恵器や刀剣が発掘されています。
公園の一角の「熊野山柱神社」から南幹線(県道407号)にでて、静岡鉄道静岡清水線に沿って西に向かいます。
しばらく進むと、旧東海道記念碑が街道脇にあります。府中(静岡)生まれの「十返舎一九」が書いた『東海道中膝栗毛』の中で弥次郎兵衛と喜多八が滑稽な旅をしたことでも知られています。読みやすい現代語訳版の『東海道中膝栗毛 21世紀版少年少女古典文学館』は、こちらをチェック👇
東海道本線・新幹線に架かる陸橋を渡り、古庄を経て長沼大橋の脇を抜け、静岡鉄道の長沼駅を過ぎると手前にこんもりとした森が見えてきます。「静岡懸護國神社」はもうすぐです。
■街中の丘陵地、谷津山(やつやま)ハイクを楽しむ
2)静岡懸護國神社-谷津山-清水山公園 (約1時間5分)
シイやカシといった照葉樹が生い茂り、石灯篭の参道を進むと、豪壮な拝殿が現れます。「静岡懸護國神社(しずおかけんごこくじんじゃ)」は、明治32年(1899)に「共祭招魂社」として静岡市北番町に創立され、明治維新から太平洋戦争で死没した静岡県出身者並びに縁故ある戦没軍人、軍属の英霊7万6千余柱を神様として祀っています。その後、靜岡縣護國神社と改称、昭和17年(1942)に現在地に移転されています。
国道一号線を車で通る際に、護国神社が北側にあることは知っていましたが、これほど広大な境内と豪壮な拝殿があるとは少し驚きです。
靜岡縣護國神社のすぐ背後(北側)の森は、谷津山(やつやま;標高107m)を山頂とする東西約2kmの長い丘陵地帯です。市街地に残る貴重な自然であり、よく整備されたハイキングコースがあります。今回のウォーキングでは、このハイキングコース*1)も縦走してみます。
(*1)当ブログで、このコースをトレッキング(登山)コースとせずにウォーキングコースとした理由は、ウォーキングシューズで十分歩けるハイキングコースのためです。実際、筆者もお気に入りのメレルのウォーキングシューズで散策しています。)
護国神社を出ての丘陵の東側を回り込むよう北に進むと、谷津山自然公園(愛宕砦の森)入口の道標が見えてきます。ここからハイキングコースに入ります。
「愛宕(あたご)神社(愛宕山城跡)」を経て、「ライオン砦」、「郷土の森」、「谷津山自然公園ピクニック広場」を過ぎると谷津山の山頂(谷津山古墳;古墳の森)に着きます。
途中で後ろを振り返ると富士山がちらりと顔を見せるスポットがあり、思わず撮影です。桜が少し残る陽気のみちた暖かい春の散策です。山頂は標高107mなので、急な傾斜もほとんどなく丘陵を気持ちよく歩けます(トレイルランのコースとしても人気です)。
山頂から先、丘陵西端の「清水山(きよみずやま)公園」まで山陵を縦走して歩けます。「清水山公園」は、街中にありながら山を背に自然を存分に満喫でき、春は桜も楽しめます。滝の下は浅い水場になっており涼しげです。流れの先には水車小屋もあります。山の斜面を利用して展望台(舞台)が設置されており、静岡の市街地を一望できます(清水山公園は、地形が京都の音羽山清水寺に似ていたことからモチーフに作られた公園のようです)。家族連れで賑わっていました。
■徳川家ゆかりの深い寺社に立ち寄る
3)清水山公園-臨済寺-静岡浅間神社-駿府城公園-JR静岡駅(Goal)(約1時間35分)
清水山公園から先は、北西に進み城北公園を経由して「臨済寺(りんざいじ)」を目指します。
北街道から住宅地を抜けて城北公園の中を通って、麻機街道に出ると賎機山(しずはたやま)の東麓に「臨済寺」があります。阿吽の金剛力士が睨む山門をくぐり、石段を登ると、禅宗らしい実質剛健な本堂が現れます。
臨済寺は、駿河守護職であった今川氏の菩提樹であり、格式の高い勅願時です。徳川家康が8歳から12年間、今川氏の人質として過ごした寺としても知られています。家康は当時の住職で今川義元の執権であった大原雪斎に史書や兵法を学んだと伝えられています。
堂内や庭園は年2回の特別公開以外は非公開です(本堂前までは無料で入れます)。
「臨剤寺」から麻機街道を南に下ると、大きな石鳥居があり、賎機山の南麓に鎮座する「静岡浅間神社」に着きます。
「静岡浅間神社」は、神部、浅間、大歳御祖神社の3社を総称した神社で、「おせんげんさん」の名で親しまれています。三社とも鎌倉時代以降、歴代幕府の庇護を受け、特に江戸時代には徳川氏の崇敬を受けました。
総門、楼門をくぐると舞殿があり、その先に大拝殿の威容が現れます。浅間門と呼ばれる2階建ての建築様式は全国的にも珍しく、県内では、富士宮の富士山本宮浅間大社の本殿だけです。
他に4つの神社が鎮座しており、併せて7社を祀っています。そして、内在する神社が33社あり、それらを合わせると、全部で40の神社の集合体になります。お祀りする神様の数は全部で56にもなります。
浅間神社でお参りしたのちは、浅間通りを通って駿府城公園に向かいます。
外堀、中堀を越えて清水御門(現西橋)から城内の公園広場(本丸)に出ます。
南北726m、東西655m、堀をめぐらせたかつての城郭跡(内堀も)が発掘調査で明確になりつつあります。「駿府城跡天守台発掘調査」の調査現場は一般の人も見学できるエリアが設定されています。
慶長期(大御所家康)天守台は南北約68m東西約61mで日本一大きな天守台であったことが明らかになりました。また天正期(豊臣方)天守台跡も発見されており、天正期の363点もの金箔瓦が出土しています。
慶長10年(1605)、将軍職を第2代秀忠に譲った家康は再び駿府に戻り「大御所政治」の拠点としました。慶長13年(1608)に本丸御殿、その2年後には7階建ての天守が完成したと伝わります。同時に城下の町割りや安倍川の治水工事も進め、現在の市街地の原型がつくられました。
元和2年(1616)、家康は駿府城で没しました。その後、駿府城は大火や宝永、安政の大地震で大きな被害をこうむります。天守は再建されることなく、明治4年(1871)に廃城となりました。
2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』で再び注目されています。
「どうする家康 前編、後編」はこちらでチェック👇
おつかれさまでした。
静岡のお土産は、こちらでもまとめてご紹介しています。こちらをチェック👇
「静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク」おすすめアレンジコース
「しずおか寺社めぐりと谷津山ウォーク」、体力や目的・興味に応じてコースアレンジは可能です。
『【厳選8】静岡県でおすすめのウォーキングコース〜静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク〜』まとめ
静岡県在住30年以上の筆者が厳選する、静岡県のおすすめウォーキングコース”第8弾”は、『静岡寺社めぐりと谷津山ウォーク』としました。
静岡県やその周辺の地域、伊豆や箱根、富士山周辺は、首都圏からも近く、訪れやすい地域でしょう。東京近郊からでも日帰り圏内です。
「静岡市」周辺は本当に気候が温暖で、春夏秋冬様々な季節が楽しめるおすすめな場所になります。是非都合をつけて訪れてみてください。
今後もおすすめのウォーキングコースや山歩きコースを順次ご紹介していきたいと思います。
ウォーキングの服装やグッズ選びで悩んでいる方は、是非以下の記事を参考にしてみてください。こちらをチェック👇
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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