自然を満喫できると人気の登山や新しい発見・散策が人気の街歩き・ウォーキングですが、いざ始めようと思っても、どこを歩いたら良いのか迷うことはないでしょうか。
静岡県中部地区でおすすめするウォーキングコースは、薩埵峠(さったとうげ)-『東海道五十三次』 歴史散策コースになります。
『東海道五十三次』の宿場町を歩いて、薩埵峠からの絶景の富士山と駿河湾を堪能するウォーキングコースです。
江戸後期の浮世絵師・歌川広重の代表作『東海道五十三次』の作品が見られる「東海道広重美術館」と「由比本陣公園」も見逃せません。初心者(〜中級者)から幅広い世代に人気の、気持ちの良いウォーキングコースになります。
江戸時代から大正モダンに至る歴史を垣間見る。歴史好きの方にもおすすめです。
- 峠から富士山と駿河湾の眺望が望め、『東海道五十三次』の宿場町を堪能できる静岡でおすすめのウォーキングコースがわかる
- 「薩埵峠」-『東海道五十三次』ウォーキングコースの特徴、見どころ、グルメスポットがわかる
- 「薩埵峠」-『東海道五十三次』ウォークのおすすめアレンジコースも紹介
それではいってみます。
「薩埵峠」-『東海道五十三次』 ウォーキングコースの概要
まずは、対象コースに関する基本情報はこちらになります。
- エリア:静岡県静岡市(興津・由比・蒲原)
- コース概要:
1)JR興津駅(Start)→(約10分)→2)宗像神社→(約1時間)→3)薩埵峠(さったとうげ)→(約30分)4)望嶽亭・藤屋→(約30分)→5)小池亭→(約20分)→6)由比宿→(約1時間)→7)JR蒲原駅(Goal) - 難易度:体力 ★★☆☆☆ 、技術 ★☆☆☆☆ 、危険 ★☆☆☆☆
- 所要時間:3.5時間
- 距離:10km、標高差100m
- 歩数*):14,085歩
- 消費カロリー:906kcal
- 路面:ほぼ舗装道路
- おすすめの季節:四季問わず楽しめます。
- 交通機関(アクセス):
【行き】JR東海道本線 興津駅
【帰り】JR東海道本線 蒲原駅
【車】電車区間の歩きなので電車が便利です。一方、駐車場は「東海道広重美術館」(由比)周辺(由比川河川敷スポーツ広場;無料)にあります。興津駅にもコインパーキングはあります。
*)歩数は、1歩71cmで歩数を算出しています。
(日本人女性の平均身長は158cm、歩数の計算方法は身長×0.45なので、158cm×0.45=71.1cm)
■地図情報
地図上での位置や標高は次のとおりです(青線がルートです。拡大もできます)。
周辺情報がわかるグーグルマップはこちら。右上の□クリックで拡大もできます。
「薩埵峠」-『東海道五十三次』 ウォーキングコースの特徴・見どころ・グルメスポット
■『東海道五十三次』の宿場町を歩く
1)JR興津駅(Start)-宗像神社 (約10分)
スタートは、「JR興津駅」。駅前通りを歩くとすぐに旧東海道に出ます。興津は江戸時代、東海道五十三次の宿場町で、旅籠が30軒以上あったようです。
南北に長い「清水清見潟公園」を通って梅や早咲きの桜(河津桜)を眺めながら散策です。駅から10分ほどで「宗像神社」の鳥居が見えてきます。福岡の宗像大社の末社で、航海安全の神様として知られています。鎮守の森は「女体の森」と呼ばれ、船乗りの目印でした。
2)宗像神社-薩埵峠 (約1時間)
宗像神社から北東に進み、興津川河口に架かる橋を渡ります。橋を渡りきったところに「薩埵峠」の道標があります。興津川沿いに少し遡ると「川越遺跡」の説明版があります。江戸時代、川人足が旅人を蓮台や肩車で運んだ川会所の跡のようです。小さな公園になっておりトイレもあります。
江戸後期の浮世絵師・歌川広重の代表作『東海道五十三次』「興津」は、興津川を蓮台や馬で渡る川越の絵「力士の川渡り」になっています。こちらをチェック👇
興津川沿いの道を進み「薩埵峠」の道標に従い路地に入ります。旧道を通ってミカン畑の近くに「白神神社」があります。天狗の面容をしたといわれる猿田彦を祀った神社になります。
■薩埵峠で富士山と駿河湾の絶景を堪能
3)薩埵峠-望嶽亭・藤屋 (約30分)
木々に囲まれた峠道を10分ほど登ると、視界が急に開け眼下に駿河湾が広がります。駿河湾を右手に進むと行く手に世界文化遺産の富士山が姿を現します。「薩埵峠」から眼下に「駿河湾」、遠くに見える山並みの向こうに雄大な「富士山」の絶景。一見の価値ありです。
特に東海道本線、国道一号線バイパス、東名高速道路の大動脈と「富士山」の眺望はまた格別です。
「薩埵峠(標高90m)」は、興津宿と由比宿間にある3kmほどの峠道になります。興津と由比の境界付近は山が海に突き出しており海岸線は狭く、昔の旅人は、狭い海岸線を波にさらわれないように駆け抜けました。新潟県糸魚川市西端にある「親不知海岸」と同じような交通の難所でした。そのためもっと安全な山側に迂回ルート(薩埵峠越え)が作られたようです。
「薩埵峠」は広重の『東海道五十三次』でも、随一の景勝地として良く知られています。「由井薩埵嶺」には断崖を行く旅人と富士山と駿河湾が描かれています。”難所”は”絶景”にもなります。駿河湾に帆掛け船は見ることはありませんが、広重の描いた景色そのものです。こちらをチェック👇
上の浮世絵をよく見ると、小さく描かれた旅人が、足のすくむ断崖からへっぴり腰でのぞく仕草がユーモラスです。
峠を越えると、ゆるい坂道を下ります。周囲にはミカンやビワの果樹園が広がります。
■江戸の旅人気分で街道沿いを散策
4)望嶽亭・藤屋-小池邸 (約30分)
坂を下りきると、狭い道を挟んで家が軒を連ねています。「西倉沢集落」です。かつて「興津宿」と「由比宿」の間に合った「間の宿」になります。10軒ほどの茶屋があったようで、古い街道(旧東海道)の面影が残る家並みです。
『東海道名所図鑑』にも登場する茶屋の一つ「望嶽亭・藤屋」は、現在無料公開されており(ただ個人宅のため見学の際は事前に要連絡)、その佇まいからは往時の賑わいがうかがわれます。
「幕臣精鋭隊長「山岡鉄舟」が官軍に追われた際に、望嶽亭の蔵屋敷で漁師に変装、隠し階段より浜辺に脱出し、当時最新式フランス製十連発のピストルを残して行った」と言われています。脱出には清水の次郎長もかかわっているようです。
「小池邸」は甲斐武田氏の家臣が移住してきて、代々地元の名主を務めてきた家になります。大戸やくぐり戸、なまこ壁、石垣などに江戸時代の面影を残しています。
5)小池邸-由比宿(東海道広重美術館) (約20分)
「小池邸」からしばらく下ると「JR由比駅」が見えてきます。通りは「由比桜えび通り」。由比はサクラエビで全国的に名前を知られる町です。
江戸時代、由比宿は本陣1、脇本陣1、旅籠32、個数160軒ほどの宿場でした。旧道の狭さや街道の曲がり、古い町屋造りが残る町並み、すっかり江戸時代の旅人気分です。
東海道本線の狭いガードをくぐると、由比漁港の船溜まりになります。多くの漁船が停泊しています。漁業が盛んな由比には蒲鉾店をはじめ、水産加工場が多くあります。
「由比川」を渡ると、かつての本陣跡を整備した公園「由比本陣公園」があります。すぐ脇にある「東海道広重美術館」には是非立ち寄りたいものです。
6)由比宿(東海道広重美術館)-JR蒲原駅(Goal) (約1時間)
「由比駅」から6kmほど歩くと「蒲原宿」。江戸時代、本陣1、脇本陣3、旅籠42、戸数509軒と「由比宿」より規模は大きかったようです。町屋造りのなかに大正モダンを彷彿とさせる「旧五十嵐邸」があります(今回は「蒲原駅」までですが、その一つ先(東;東京方面)の「新蒲原駅」まで行けばその途中で立ち寄れます)。
ところで、広重の描く蒲原宿『蒲原 夜之雪』は雪の蒲原なのですね。実際にはほとんど雪の降らない温暖な地域ですが、これはこれで想像を掻き立てられて趣があります。こちらをチェック👇
「雪景」としては、本連作のみならず広重作品を象徴する傑作とのことです。”深々と降り積もる雪の中、緩やかな傾斜のついた街道を旅人たちが難渋しながら歩んでいます。新雪を踏む足音まで聞こえてきそうな静寂の世界を描いた、最も芸術性に優れた一枚”になっています。
「薩埵峠」-『東海道五十三次』ウォークおすすめアレンジコース
見どころスポットが近隣に点在しているので、体力や目的・興味に応じてコースアレンジは可能です。
【番外編】『東海道五十三次』を歩くときにおすすめの書籍
『東海道五十三次』関連の書籍をAmazonで調べると、「Kindle unlimited」で無料で読める本が多くて驚きました。こちらをチェック👇
『【厳選4】静岡県でおすすめのウォーキングコース〜薩埵峠-『東海道五十三次〜』』まとめ
静岡県在住30年以上の筆者が厳選する、静岡県のおすすめウォーキングコース”第4弾”は、『東海道五十三次』の宿場町を歩いて、「薩埵峠(さったとうげ)」からの絶景の富士山と駿河湾が堪能できる『薩埵峠-『東海道五十三次』歴史散策コース』としました。
静岡県やその周辺の地域、伊豆や箱根、富士山周辺は、首都圏からも近く、訪れやすい地域と思います。東京近郊で日帰りも可能です。
「静岡市(興津・由比・蒲原)」は年中温暖な気候で、春夏秋冬様々な季節が楽しめるおすすめな場所になります。是非都合をつけて訪れてみてください。
今後もおすすめのウォーキングコースや山歩きコースを順次ご紹介していきたいと思います。
ウォーキングの服装やグッズ選びで悩んでいる方は、是非以下の記事を参考にしてみてください。こちらをチェック👇
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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